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夢を現実に② 具体的な解説 CF期間中を振り返る(前半)

発酵の記録

夢を現実に② 具体的な解説 CF期間中を振り返る(前半)

CF概要

詳細

  • タイトル 令和に息づく新たな文化財を創る。酬恩庵一休寺 開山堂修繕にご支援を
  • 目標金額 1000万円
  • 実施期間 2021/11/1から2021/12/24
  • 目的 長年の風雨で疲弊した一休寺開山堂の屋根をチタンで修繕する

created by dji camera

はじまり きっかけ スタートに至るまで

 

元々は2020年の秋に公開実施する予定でしたが、コロナ禍の為断念。一年間、延期に。秋に公開を考えていたのは一年で一番拝観者が多い時期に実際に開山堂を見てもらい、ネットだけでなくリアルな広報を活用したかった為でした。その為に一年間延期をしました。またコロナが落ち着くタイミングを考えていたのもあります。ページの構成はこの時に出来上がりました。伊野孝行氏のイラストを基本にうぶすなの上浦氏が構成をしました。ポイントとしてはこのイラストを開山堂前の大きな広告看板と方丈内に設置した四角柱パネルをページとリンクする形で用意しました。2021年に使用したこちらのものは2020年にすでに完成していたものです。

プランは手数料が低い シンプルプランを選択。前回の経験を活かし手数料は低くしたいと考えていました。

リターンについては 拝観パスポート案を 最初の時点から考えていました。ただ他のリターンも含め詰めは甘く。今回のメインリターンとなった 伊野氏の手拭い、寺脇氏の朱印帖は2021年の時に考え付いたものでした。皮肉にも一年の延期がリターンのブラシュアップにつながりました。萬々堂さんの「通無道」も伊野氏の2021年の「となりの一休さん」の刊行がなければ出来ていませんでした。

 

その中で大きな違いの一つはは2021年秋の「一休フェス」とリンクする形でCFを行えたことでした。これはCFの広報の意味で大きな意味があったと思います。

www.ikkyuji.org
一休フェス | 酬恩庵一休寺
http://www.ikkyuji.org/fes/
京田辺市 酬恩庵一休寺の公式ホームページです。

チームとしても リターンの制作及び画の撮影に協力いただいたmohanの宮本氏、そして一休フェスの「keepon風狂」の監修を務めていただいた飯島孝良先生、また2021年度より当寺HPでの広報に協力いただいたポーラの畔柳氏 この3名の加入はとても大きかったです。

またもうひとつの大きな違いが ベーシックプランへの変更です。

今現在、コロナ禍で社寺を含めた文化的な団体の多くは運営に困っています。READYFORではそのような団体に対してクラウドファンディングの案内を出されており、当寺にも送られてきました(今進行中なんですけど(笑)と思いながら)ちょうどこの時、1000万円に目標金額を設定しようと考え悩んでいた時期です。絶対に成功させないといけません。私はプロジェクトをよりブラッシュアップする必要があると思い、READYFORに連絡、ベーシックプランに変更。サポートを受けることにしました。結果これが本当に良かったと思っています。

断言します。手数料17%は妥当です!

新着情報とサポート打合せ から振り返る

ここから期間中の動向と私が何を考えていたのか を知るために新着情報を振り返っていきます。併せてREADYFORサポートの方との打ち合わせも振り返ります。正直、悩み葛藤の二か月間でした。

 

2021/11/1 達成率2%

初日から20万円のご支援。いきなり泣きそうになりました。アカウントでどなたかわからない時もありますが、お願いのメッセージをしておいて良かったです。前日に禅文化研究所の西村さんから連絡をいただき禅文化研究所のブログに掲載をいただけるとのお声をいただきました。同じ悩みを抱えているお寺の人たちに発信できるのはとてもありがたいことでした。

2021/11/2 達成率7.4% 新着 All or nothing

※2日目の時点で約50万円のご支援をいただきました。5%です。30%のハードルは高いとひやひやしながらも50万円。なんとありがたいことかとも思っていました。All or nothingへの決意表明でもありました。そしてここで嬉しい連絡が。前回のREADYFOR挑戦時に同タイミングで挑戦していた料理僧こと青江覚峰さんから サイト「ここより」で紹介してくれるというお話を頂きます。

 

■新着 All or nothing

おはようございます。無事初日を終えることが出来ました。今現在、支援していただいている金額は509,300円。本当にありがとうございます。今回ですが All or Nothing の形を選択し挑戦をしております。こちらは目標金額まで金額が達しない場合はNothing。つまり0と同じ というものです。目標金額を1000万円に設定している中で、なかなかきびしくハードルが高いのが正直なところです。しかしながら今回のプロジェクトはそれぐらいの気持ちで臨むべきものであります。敢えて背水の陣としました。ただ今回のプロジェクトはやらないといけない、私たちに先はない、というネガティブなものではなく私自身、そういうものには絶対したくないと思っていました。前回のプロジェクトではスタート当初、裏山の借景を守らないといけないんだと躍起になっていました。そこで私が提案したものはやはりネガティブでした。開始直後、友人から連絡をもらいました。「あれはネガティブすぎるよ、僕はそんなものより これからのワクワクする未来に投資したいと思う」とその友人は愛あるダメだしをしてくれたのです。急遽、私は今までのものを一から見直し、新しく書き替えました。すると今まで振るわなかった支援が書きかえた後から徐々に増えてきました。私はこのクラウドファンディングという仕組みはとても興味深いものだと考えています。実際に支援のお金を集める仕組みでもあり、今までつながることがなかったご縁をまとめる仕組みでもあるからです。お寺もそのような存在でありたく思っています。今回、ご用意したリターンの品もこのプロジェクトでご縁をいただいた人に対して私たちが考えうる最良のものとなっております。禅は一期一会、その時その時最大限に今持っている力で向き合うことを大切にしています。絶対に達成し、私たちの明るい未来に少しでも貢献できればと考えております。約二か月間、全力で走り抜けたいと思います。

2021/11/3 達成率11.3%

30%の壁は厚いですがまずまずというか、100万円ですよ。大金です。

2021/11/4 達成率12.8%
新着 キッサコ 薬師寺寛邦さんから応援コメントをいただきました!

お寺でもライブをしていただいたりMVのロケーションとして使っていただいたこともある、キッサコの薬師寺さん。同年代で同じ僧侶でもあります。同じくお寺を護持していく立場にあるものとしてあたたかい応援コメントをいただきました。実はこちらの新着が一番閲覧いただいきました。キッサコさん人気はすごいものがあります。

■新着 キッサコ 薬師寺寛邦さんから応援コメント頂きました

キッサコ 薬師寺さんはミュージシャンでありながら同世代の禅僧でもあります。一休寺でライブを開催、また文末にありますように一休寺でMVを撮影していただいております。以下コメントです。ありがとうございます!伝統を守り、受け継いでいくためには、「変わらないでいること」と、「変わっていくこと」の両方が必要です。 私は「般若心経」を音楽に乗せて届けておりますが、その思いを大切に音楽活動を続けております。 今回、チタン材を使っての開山堂の修繕も、まさにその形そのものであり、これからの時代に、文化財を残していくための最善の選択だと私は感じています。 どうか多くの皆様にこのプロジェクトを知っていただき、 ご賛同いただけたら幸いです。

薬師寺寛邦 キッサコ
1979年生まれ。僧侶であり音楽家。今治市臨済宗・海禅寺の副住職。 ”僧侶ボーカルプロジェクト”「薬師寺寛邦 キッサコ」として、仏教の教えをわかりやすい言葉に置き換え、懐かしいポップスのメロディーとハーモニーで伝えている。そして、僧侶として次世代に仏教をつないでいくため、音楽と仏教を掛け合わせ、般若心経に声を重ねアレンジしたアルバム「般若心経」を2018年5月にリリース。YOUTUBEでは300万回再生突破、般若心経関連動画の総再生数は世界で驚異の累計5000万回再生を超えている。また、アジアでの大反響を受け、2018年12月に、中国・香港・台湾を巡る全6都市、2019年9月からは規模を拡大し、日本を含む全10都市でのアジアツアーを開催し、約2年で1万人以上の動員を記録した。日本からアジア、そして世界へ、縁を繋ぎ、仏教を音に乗せ、伝え続ける。

インフルエンサーの力を借りる!SNSは大きな力となります。

11/5 達成率 23.7%

30%に近く。ほんまにほっとした瞬間でした。この時点で「ここより」さんに寄稿する文章はだいたい出来ていました。伝えたいことがたくさんあったのでREADYFORさんのページだけでなく多角的にまた様々な層に発信できるのはありがたいことでした。

11/6 達成率 23.9%

11/7 達成率 24.4% 新着 Rethink 再選択

ここで「ここより」さんのサイトでご紹介いただきました。「Rethink 再選択」 という題で書いています。仏教離れが言われる昨今、仏教にとっては受難の時かもしれません。しかしながらこのように疑問に思いだしたときほど私はチャンスだと考えています。それは自ら再選択をするチャンスを得たということだからです。このテーマで今回のクラウドファンディングについてお話をしています。

 

緑泉寺の青江覚峰様のご縁で サイト「ここより」 に当クラウドファンディングの事を寄稿させていただきました。青江様は料理僧として活躍されている東京の浄土真宗のお寺の住職をされています。https://coco-yori.com/News/view/cocoyori/167

「ここより」は、人生に寄り添い、仏教を初めとした宗教の基礎知識、心のサポート、生きがいのサポート、終活のサポートなど、さまざまな情報を、僧侶や専門家による人生のコンシェルジュが楽しく、知ることを教えてくれる、心の拠り所となるサイトです。今回、Rethinkという題で書かせていただきました。こちらは私の好きなnewspicksの番組ですがこちらから頂きました。今、私たちは考え直す タイミングに きています。すべてのものがかつてあった信頼や意義が薄れその存在自体も揺らいでいると言っても良いでしょう。お寺では近年、檀信徒離れが言われます。地方の過疎地のお寺では皆が都会へと出ていき、実家のお墓やお仏壇の守りをするものもいなくなり、お寺自身も後継者の問題に悩まされています。今後お寺は維持していけるのか この問題は昭和の終わりから平成、令和とずっと言われている問題です。しかしながら私はこの状況こそお寺がまた存在意義を発揮するチャンスだと考えています。それは再選択できるということです。今まで何となく仏事、お寺に関わっていた。そんな方たちがこの状況に直面し、自分たちで考え自分たちで選択をしてほしいと考えています。実際、仏教やお寺という選択肢を取らないひとも多く出てくると思います。お葬式やお墓の形も変わってきています。しかしながら私が僧侶という仕事を選んだ時、それはただ惰性で選択したのかというと違いました。正直、小さい頃はあまりちゃんと触れてこなかった仏教に大人になりちゃんと触れ自身で学ぶことによって仏教の教えに確信を得て自身で選択をしました。仏教自体は素晴らしい、私は確固たる信念があります。ただその一方でお寺が苦手とされるにはそれなりの理由があったのは事実です。私たちもこの現実を受け止め、今私たち僧侶そしてお寺がこの現代に何が出来るのかと考え活動をしています。この「ここより」というサイトもそうですね。私たち僧侶や伝統工芸に携わる人たちもその仕事に何かしら光明を感じその仕事を選択をしています。私は今42ですが、同世代には刺激をもらえるそのような人たちがたくさんいます。大変な時代ではありますが、ワクワクもしています。今回のクラウドファンディングの挑戦も多くの方が支えてくれています。スタートして一週間がたちました。皆様のご支援本当にありがとうございます。最後まで走り続けたいと思います。

11/8 達成率 29.6%
READYFORとのオンラインミーティング
新着 伝統建築を Rethink する

□オンラインミーティング
最初の一週間を終え、初めてのオンラインミーティングです。まずは初週の成果を褒めてくれました。そしていい感じです!との嬉しいお言葉をいただきました。ミーティングの一番良いところは不安を解消してくれるところです。これは精神衛生上とてもありがたい。そしてこれからの進め方についてアドバイス。戦略会議となります。READYFORさんでは今まで多くのプロジェクトを手伝ってこられました。その統計データから今後の道筋、的確なアドバイスをいただけるのです。具体的には
こんな感じです。達成までのマイルストーンです。私はこれを机に貼っていました。
そして前日の「ここより」さんの寄稿を踏まえて伝統建築のRethinkについて触れた新着を更新しています。

■新着 伝統建築をrethinkする

今回、開山堂の屋根を従来の檜皮ではなくチタンで新しく葺き替えます。それではなぜ檜皮ではなく、チタンなのか?その理由を 今の日本の伝統建築を rethinkすることで 考えなおします。まず檜皮は一休寺においても方丈、庫裏、本堂、そして今秋の特別拝観を行っている虎丘庵などで使用されています。実際、とても美しいものです。これぞ日本の伝統建築であり文化財に相応しいものだと思っています。


本文の中にも新しく葺かれた檜皮の画像がありますがこちらをご覧いただけるといいでしょう。またキッサコ薬師寺さんの動画でもドローンによる全景のショットがあり檜皮の美しさがよくわかります。wikipediaを見てみると 「檜皮葺(ひわだぶき)とは、屋根葺手法の一つで、(ひのき)の樹皮を用いて施工する。 日本古来の歴史的な手法であるが、日本国外には類を見ない。文化財を含む、古い建物の屋根で檜皮葺を見ることができる。 2020年「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」がユネスコ無形文化遺産に登録され、この中に「檜皮葺・杮葺」が含まれている」とあります。そしてその材料についてはこう書かれています。「樹齢70年以上の充分な樹径のあるの立ち木からむいた皮を成型した檜皮を用いる。樹皮を剥ぎ取る際には、甘皮(樹木の形成層)、絹皮(甘皮と樹皮の間にある層)を傷つけず残すことで、樹木に影響なく材料を入手する。 樹皮は10年ほどで再び剥ぎとれるまで回復するが、再び採取された樹皮(黒背皮とよぶ)はより厚みを増すなど、初回の樹皮(荒皮とよぶ)よりも品質が良いとされる。樹皮の採取は水分量の多い4月 – 7月を避けて行われる[4]。これらの職人を原皮師(もとかわし)と呼ぶが、後継者不足が問題となっている。また採取する檜も長年の慣習や山主の好意などにより確保されているに過ぎず、山主の代替わりなどを機に伐採や原皮師の出入り差止めなどの憂いが絶えないとされる[5]。採取された檜皮は檜皮葺師によって材料として加工されるが、この工程を「拵え」と呼ぶ。拵えは檜皮葺師の作業のおよそ3/4に相当する。まず檜皮を長さ75㎝、幅15㎝ほどに整え、厚みも揃える。さらに使用する部位に合わせ、数十種類ある形状に成型する」まず樹齢70年以上の立派な檜であることとあります。また一度剥ぎ取ったところからは10年という時間を要します。そしてこれらの仕事を行う原皮師も後継者不足に悩まされています。昭和の時代、高度経済成長期を迎え、より便利でより早い、インスタントのものが求められてきました。このサイクルから考えると檜皮のこの70年、10年という期間は気の遠くなる時間です。日本の木材建築というものはその為、衰退し木材に代わる素材が建材として多く使用されるようになりました。しかしながら檜皮葺きなどの日本の木造建築は和を象徴する文化です。

私たちの生活と逆行するかのようにこれらの伝統的な木造建築は文化財として指定され保存維持が叫ばれました。このこと自体には異議はなく、むしろそこの部分を守っていただいたことに感謝をしています。国の補助による助成金は私たち文化財保有者にとってはとてもありがたいことです。ただ経済の原理からすると、いくら素晴らしいものでも一般的に需要がないものは生産が落ち、価格は高騰します。職人の方たちもそれだけの年数をかけて仕上げた木材を抱えるだけ抱え、需要がないので次第に疲弊していきます。このような状況ではいくら素晴らしい仕事であっても後継者は出てこないのが現状です。これが後継者不足につながっています。

次に今回選んだチタンについて見ていきましょう。チタンの特性として軽く、強く、錆びにくいことは、よく知られていますが、それ以外の多彩な特性と、その実力についてはあまり知られていません。チタンは1790年に発見され、その後長い熟成時間を経て1948年に工業生産を開始した新しい金属です。日本においての埋蔵量は豊富で実用金属の中では4番目に多いと言われています、また生体親和性に富んでいるため人や環境に優しい金属であり、研究・開発していく中で様々な新しい可能性を見せてくれる素材です。初期の段階ではその強度から宇宙開発で採用され、その耐食性から化学や電力分野で採用されてきました。さらに現在では意匠性が加わりより身近に使われるようになっています。以上チタンの特性をまとめるとこうです。

強い 強度は鉄と同等

軽い 鉄の約60%

錆びない 卓越した耐海水性

良加工性 鉄と同等の加工が可能

非磁性 磁器を帯びることがない

低熱膨張 膨張が小さくガラスやコンクリートと同等

環境適合性 イオン溶出が極めて少なく金属イオンアレルギーが起こりにくい

意匠性 金属地肌の風合いと様々な表面仕上げが可能に

この材料としての魅力に加え意匠性が加わったことが今回のプロジェクトの大事な部分です。お寺の建築を長年にわたり守り続けてくれた数寄屋大工の棟梁木下孝一と新日鐵住金との共同開発によりこの意匠性が確立をされました。同じような素材として銅板は昔から伝統建築、特に神社などでは多く使用されています。通常の瓦よりも軽いのと耐用年数が長いのがその理由です。また酸化による緑青が美的にうつくしく、木材を守る効能もあります。ただそれでも耐用年数は持って60年、また加工が難しく職人も少ないのが現状です。またこちらの材も高価です。このような状況で出てきたチタンに私はとても可能性を感じています。初期投資としては高額ではありますが、耐用年数を含めた数々のチタンの特性そしてそこに加えられた意匠性、銅板のように同じ金属としてこの令和時代から生まれる新しい日本の伝統工法に十分なりうる素材だと信じています。実際、美的な観点としてもとても魅力的な素材で代表的なものとして滋賀県の佐川美術館の楽吉右衛門さんの茶室の屋根にチタンが使われています。また鷹峯の光悦寺の本堂の屋根もチタンでこちらはグッドデザイン賞を受賞をしています。

11/9 達成率 29.6%
新着 現在の開山堂
新着 ウッドショック
達成率は変わらず。新着は2本更新しています。開始して2週間に近づこうというこのタイミングで味変を考え始めました。開始前に木下棟梁とお話をし直前でチタンについての動画を撮影することが決まりました。しかしながら都合がなかなか合わず撮影は14日、そしてそこから急ピッチで編集。ドロップするタイミングも考えて今回の開山堂のプロジェクトにリアリティを与えたいなと思い始めた時期でした。新着もそのことについてのものとなっています。

 

■新着 現在の開山堂

今現在、開山堂は雨漏りがするため、その屋根はブルーシートで覆われています。腐食がひどく屋根の一部は剥げ落ちています。

今年の夏、延期をしていた今回のクラウドファンディングプロジェクトが再始動。本格的にまた動き始めました。実は昨年の秋前の段階でだいたいの大枠は出来上がっていて、その時に制作をしたもの(具体的にいうと、広報の看板やDM)がついに日の目を浴びることになったのです。昨年からサイト自体はだいぶサポートの皆さんのお力をえてテコ入れしたものの基本的なコンセプトは変わりはありません。伊野孝行氏のイラストを使って皆様に私たちの思いを伝えたいというものです。

今回、開山堂の前に看板を立てています。実際に開山堂を前にして今までの歴史を知っていただき実際に肌で感じてひとりひとりが今回のプロジェクトに参加してほしいと考えたからです。昔のような大型な普請は今はほとんどなくなりました。そんな中、ひとりひとりがこの建築に関わったのだと思ってほしい、それが私たちの願いでもあります。さて、10月 1年前につくった看板をついに開山堂前に立てる日がやってきました。デザイナーのUさんと看板屋さんのHさんが看板を立てに来られました。「今から立てますね」とお声がけをいただき、やっとこの時が来た!と内心胸が躍りました。

するとしばらくしてUさんから連絡が!看板設置工事の最中に蜂の大群に襲われたというのです。スズメバチだったらしく、それだけでも恐ろしいのですがその蜂たちは大変いきり立っていたようで何もしないうちに襲われたそうです。よくよく話を聞いてみると蜂は開山堂の屋根から襲ってきたとのこと。その日は作業を中断、Uさんは救急車で病院へ。大事には至らなく幸いでしたが、刺された後は数日残りました。次の日、駆除業者さんにお願いし、調査と駆除を依頼。業者さんが言うところには屋根が剥がれ落ちていてその中に蜂が巣をつくっていたと。しかもオオスズメバチとスズメバチが互いに巣をつくり抗争状態にあったそうです。そのような状態で近づいたものだからすぐさま襲われたとのことでした。今は無事駆除を終え、今に至っておりますがとても恐ろしい思いをしました。

その時にあらわになった屋根がこちらです。

雨漏りもしていましたが、木材の為 濡れてしまうと湿度をもち蜂が住みやすい環境をつくっていたようです。後日、作業をいただき現在、開山堂前にはこちらの看板が立っています。紅葉ももうすぐ見ごろとなってきます。是非実際に見に来てください。

 

■新着 ウッドショック

今回、開山堂の屋根の修繕を行いますが単純に屋根の修繕葺き替えだけではありません。というのは建物は柱などの核となる木材があってはじめて建っています。そこに屋根が葺かれるわけですが、長年の風雨による檜皮への損傷はそのまま中へも影響してきます。実際のところ、解体をしてみないとわからないですがこの点において心配をしております。昨年からのコロナ禍で日本、世界はウッドショックにみまわれました。これは1970年代におきたオイルショックになぞらえてつけられた名前です。オイルショックは原油の供給逼迫による原油の価格高騰に伴い世界経済がきたした大混乱のことをいいます。石油危機などと日本でも言われ、トイレットペーパーなどの石油からできる商品がお店から消え一時、全く購入すらできない時期が長く続きました。アメリカでコロナの影響を受け住宅建築需要が増加しました。さらに政府による膨大な財政出動と低金利政策が取られた結果、例年の水準を大きく上回る需要がみられました。もともと、虫害や山火事等で原料が不足しており、コロナで製材所の休業を余儀なくされた中にその動きが加わり、世界では建築用木材需要増の結果、木材価格高騰が引き起こされています。そして現在、その影響が我が国にも及んでいます。国内の丸太や製材価格も上昇しています。

 

11/10 達成率 29.9% 新着 お寺を Rethinkする-普請 手拭いと朱印帖
再度「ここより」さんんへの寄稿です。リターンについて書いています。私はCFにおいてリターンをものすごく重視をしています。ご支援いただいた方には私が本当に良いと思うものをお渡ししたいと思っています。お寺には実に様々な人が集まります。ジャンルを超えて普段知り合わない人たちを結ぶことが出来るのがお寺だです。この機会を最大限にクラウドファンディングは活かせる、そう考えています。それにしても抜群の出来です。こちらはCF後の今はこちらにて寄附のお願いとともに返礼品としてご用意をしております。

■新着 お寺をrethinkするー普請 手拭いと朱印帖

今回のようなお寺での修繕工事などを普請という風に呼びます。お寺では諸堂の整備など普請という言葉は使われていますが、一般的にはなかなか聞きなれないものです。私たちが普請という言葉を聞くと、今では公共事業による建設や土木工事をイメージします。しかしこちら語源を調べてみると面白くて元は仏教が始まりです。普(あまね)く請(こ)うということであって信者さんたちが共に作業に従事することを意味しました。昔はひとつの建物を一つ立てるのも大変な作業でした。当然ひとりの力では出来ません。完成に至るまで多くのひとの力添えがあって初めて完成していたのです。安普請という言葉が残っていますが、これは建築がただ悪いという意味ではなく施主が人徳がなくみんなの協力が集まらかった時に言われた言葉でした。ドキッとさせられます。ただ思いつきで普請なんかするものではありません。やるからにはそれなりの覚悟をもってのぞまないといけません。また道路工事などの公共事業でその言葉が使われるように従事する者、関わるものには何らかの益がないといけません。お寺などでも修繕の普請を行った際に、寄付をいただいたお礼に返礼品をお返しします。まさにクラウドファンディングですね。事業の目的や意義は当然 大切ですが、それと同じくらい私はリターンが大切だと考えています。やはり関わっていただいた方には私たちが考える最良のものをお渡ししたいのです。今回、メインに伊野孝行氏が今回の為に描き下ろしたオリジナル手ぬぐいと日本画家寺脇扶美さんがお寺をイメージしてデザインをした朱印帖の二つをご用意いたしました。

伊野氏は言わずと知れた 「オトナの一休さん」の作画を担当したイラストレータ。寺脇さんは日本画家として数々の賞を受賞、お寺の鳥観図も手掛けてくれています。
※伊野氏による一休寺オリジナル手ぬぐい

※寺脇さんの手がけた朱印帖こちらは大応国師が開山となった妙勝寺の御朱印を書いてお届けいたします。

11/11 達成率 29.9% 新着 風を吹かば吹け 雨降らば降れ
開始一週間では無理でしたがやっと30%を達成しました。一安心です。クラウドファンディングが本格的に始まったように思いました。ここからが本当の正念場というところでした。新着はリターンである朱印帖をご紹介です。寺脇さんの言葉を伝えたかった新着です。ここから数回、リターンについて書いています。

 

■新着 風吹かば吹け雨降らば降れ

こちらは 有漏地から無漏地へ帰る一休み 雨降らば降れ 風吹かば吹け という一休禅師の歌にあるもので この一休み というところから 一休という号の由来になっています。今回、日本画家の寺脇さんに朱印帖をご依頼しました。寺脇さんは制作するにあたってこちらの言葉に着想を得られたと伺いました。以下、寺脇さんからの言葉です。※寺脇さんに描いていただいた寺鳥観図

《一休さんの「有ろじより 無ろじへ帰る 一休み 雨ふらば降れ 風ふかば吹け」という歌に着想を得ました。お話をいただいた時期はまさにコロナウィルスの流行で世間が騒然とし始めていました。そこで今こそ、この一休さんの歌が重要な時ではないかと思いました。そしてこの先も何があるかわからない世の中、この歌の在り方にひとつの光が見出せる気がしています。》悟りを得ることは大変なことでそしてとても素晴らしいことです。しかしそこに留まら街頭にでて教化する一休禅師のこの姿勢こそ禅師が皆に愛される理由のように思います。そしてこちらには「東海の児孫 日うたた多からん」の見開き朱印も併せて授与させていただきます。大応国師は中国の虚堂和尚のもとで学びました。日本に帰られる際に虚堂和尚が大応国師におくった言葉です。この私の禅を継ぐ者が日本で大いに禅を広げそして栄えるだろうという賞賛の言葉でした。

11/12 達成率 31.5% 新着 伊野孝行さんの手拭い
今CFでもお世話になりまくりの伊野さんのリターンのご紹介です。伊野さんとはこの秋、「keepon風狂」での展示も行いました。11/14にはトークイベントがあり、定員は満席でしたがオンラインでの配信もあったのでそちらもご紹介しました。

■新着 伊野孝行さんの手拭い

今回、伊野氏には手拭いをお願いをしました。伊野氏の画とデザインが一番活かされるものはなんだろう?また老若男女 すべての世代のすべての人が 使えるもの もらって嬉しいもの を考えました。

こちらはお寺のクラウドファンディング紹介スペースで見本を展示しておりますが、立ち止まって見る方も多く、とても嬉しく思っています。

伊野氏は NHK Eテレ 「オトナの一休さん」の作画を担当されたイラストレータです。そちらがご縁で2018年はに虚堂、大燈、一休とお三方の頂相を描いてもらいました。奇しくも同年に本山大徳寺の一休禅師の塔頭、真珠庵様でも襖絵を奉納されています。http://www.inocchi.net/ikkyu/shinjyuan/

 

今年度は、自身の著書「となりの一休さん」を刊行。4月に東京で「風狂展」を行われました。関西でも風狂ふたたびと、今秋一休寺では お寺との共同展示「keepon風狂」展を開催中です。こちらは一休フェスと題し境内全体で伊野さんの展示を楽しんでいただけます。詳しくはHPにてhttp://www.ikkyuji.org/fes/

そして14日には今回の展示のトークイベントがあります。応援コメントもいただいた芳澤先生、矢内先生、そして監修を務めていただいている飯島先生が登壇をされます。席数が限定でありがたいことに満席を頂いておりますが、MKタクシーさんとコラボしてMKさんのインスタアカウントで当日ライブ配信もありますので是非ご覧ください。@mktaxi.jp がアカウントです。

11/13 達成率 32.3% 新着 リターン 拝観パスポート
リターンの紹介が続きます。手拭いと朱印帖のメインの二点のほかに是非お勧めしたいと考えたのがこちらのリターン。拝観パスポートです。お寺へ拝観するというはお好きな方以外は一年に何回もあるものではありません。拝観というものを特別な体験ではなくてもっと日常的なものになればと思っています。京都に来た時にふらりと立ち寄る、そんな場所を持てるというのはとても贅沢なことなのではないでしょうか。
■新着 リターン拝観パスポート

今回、リターンとして拝観パスポートをご用意しています。こちらは10年間、いつでも好きな時にお寺を拝観できるものです。お寺は年中無休なので文字通り、拝観時間内ならいつでもです。お寺には多くの人が訪れるタイミングというのがあります。それはちょうど今の時期、紅葉の秋であったり 桜が咲く春 またお寺ごとに四季の花を楽しむことが出来る時期がそのタイミングだと思います。しかしながら一年中、お寺にいる私の意見としてそれでは実にもったいないと思います。もっと気軽に立ち寄っていただきたいのです。具体的にいうと今年の紅葉のピークは2週間後だと考えています。ではその2週間後のピークの紅葉の時だけが良いのかというと それは少し違います。実際、だんだんと紅葉していく時期、青いものと赤いものまたその途中のもの そのグラデーションが楽しめるタイミングは今しかありません。この三様のもみじが太陽の光を浴びて見せるグラデーションはとても美しいものがあります。紅葉も 青紅葉から最後落葉するまでその一部始終を追いかけてみるとその日毎に毎回違う顔を見せてくれます。これこそ拝観パスポートの醍醐味だと思います。以下、本日の紅葉写真です。

 

 

 

秋、始まりました。

 

11/14 達成率32.8% 新着 拝観パスポート2 四季の移ろい
一休寺はお寺の四季の移ろいを映像として残しています。春夏秋冬それぞれの風景があります。そしてそれは毎年違います。同じ春、同じ四季というものはありません。その時々の一瞬を切り取ったものです。その一瞬の美しさにいつも感動させられます。そしてそれを皆さんにも感じていただきたいのがこの拝観パスポートのリターンでした。

■新着 拝観パスポート2 四季の移ろい

拝観パスポートについて続きです。お寺では四季の様子を動画に残しています。撮影はmontfilm。以前のライトアッププロジェクトから彼にお寺の撮影を一任しております。

まず春。春といえば桜です。一休寺はもみじが多いお寺で桜のイメージはあまりありません。こちらは総門から参道をあがってくると見える霊園前の桜です。この動画タイトルに iroha と名付けました。いろは詩は日本古来から伝わる詩でいろはにほへとちりぬるを 日本的叙情を感じます。桜の美しさは満開の時だけでなく、長い冬を経てきたその過程にあると思います。それこそが日本的美観なのでしょう。

次に梅雨です。こちらの沙羅双樹と写真家の水野克比古先生による動画です。沙羅双樹は 花をつけたらそのままポトリと身を落とします。一日花とも呼ばれその姿は諸行無常を感じさせると日本人に好まれてきました。じとじととした季節でもありますが、雨は日本にとって美しさにもなるのです。

そして秋。紅葉はその移ろう過程にしみじみとしてものを感じます。散りかけの晩秋も是非楽しんでいただきたいと思います。落葉、そして冬をむかえます。この時期があり 新しく春を迎えることが出来ます。

11/15 達成率38% 新着 ご縁 リターンの紹介 moga人形
mogaさんとは長いお付き合いです。私がほれ込んで一休さんの人形を作ってもらいました。今も人気の商品です。一休寺の活動はワクワクできるかが 基本です。このようなつながりのご縁が今の一休寺の活動につながっています。サポートの方からはずっと顔出しをした方がよいとアドバイスをうけていましたが、なかなか良い写真がなく断念していたのですがこの写真は好きでこの機会にと思い使いました。

 

■新着 ご縁 リターンの紹介 moga人形

昨日は、一休フェスのトークイベントが行われました。席は予約で満席。ありがとうございます。芳澤先生、矢内先生、飯島先生、伊野孝行氏と豪華な4人でざっくばらんにそれぞれが思う一休さんのイメージについてお話をいただけました。一休さん、一休禅師、ほんとうにいろいろな顔があります。実在の人物がどうであったか今ではわかりませんが、後世まで話のタネが尽きないというのは禅師の人柄があってこそでしょう。小僧さんの一休さんと言いますと、東映アニメの一休さんが有名ですが、一休寺にも小僧の一休さんがちゃんとおります。こちらは人形作家として活動するmogaさんがつくる一休さん人形です。

駐車場にはパネルがありますので記念に撮影していかれる方も多い、一休寺の隠れスポットです。そんなmogaさんには今回、あえて老年の一休さん人形を作ってもらいました。やはり一休禅師ではなく 一休さん。一休さんはみんなの一休さんです。憧れの虚堂和尚、大燈国師と 三人の祖師人形セット。こちらは193セットのみのリターンとなります。今回の一休フェスはご縁が奇跡的に重なってできた産物でした。誰も意図せずしかし、ただ全力で向き合ってきた結果だと言えます。それは私だけでなく支えてくれる、一緒に全力で遊んでくれる仲間がいたからだと言えます。このような環境にあることを 本当 有難いこと。感謝です。

11/16 達成率38.8%
新着 虎丘庵特別拝観パスポート
新着 森本さんから応援コメント頂きました
リターンの紹介。こちらは通常の拝観パスポートに年二回行っている虎丘庵の特別拝観のパスポートをプラスされたものです。虎丘庵は一休禅師が晩年を過ごした庵です。2月には梅が咲き、室町時代の枯山水庭園とともに一休禅師を忍ぶことが出来ます。この虎丘庵での村田珠光との一休禅師の邂逅が今の茶道の精神につながっています。一休寺にとってお茶はとても大切なものです。2021年、奈良の老舗和菓子屋萬々堂さんとコラボレーションして菓子「通無道」を開発しました。こちらは萬々堂さんのぶと饅頭をベースに一休寺納豆を餡に練りこみました。形は円相を模しました。
■新着 虎丘庵特別拝観パスポート

この秋の時期に虎丘庵の特別拝観を行っております。こちらは毎年、梅が咲く2月と紅葉が美しい11月の2回行っております。

虎丘庵は一休禅師の晩年の住処です。茶室と今は呼んでおりますが生活の場であったといえるでしょう。お茶は主人と客人のこころが 一つに なる、そういう時間を大切に考えます。相手のことを慮る、それが茶道です。足りなかったら足し、多かったら引く。この虎丘庵の建築も実に面白いです。扁額は一休禅師のもので今も残っています。柱となっている木を見ても文句なしに立派なのではなく中にはすこし頼りないいびつなものもあります。しかし、最終 「一つ」 として虎丘庵の建築をみるとちゃんと成立しています。定期的な修繕だけでこの木造の建築は今も残っているのです。これは考え抜かれた工法、建築技術がこれを支えています。庭園だけでなく、この建築を見るだけでもこちらの虎丘庵の拝観は意味あるものだと思います。住職によるご案内となります。今秋もまた受付をしております、詳しくはHPをごらんください。

また拝観後、庫裏喫茶室に住職が菓子と抹茶でおもてなしをいたします。お菓子は今回のリターンにもある 奈良萬々堂通則の「通無道」円相に見立てています。ベースは春日大社の神饌菓子「ぶとまんじゅう」です。あんこに一休寺納豆を忍ばせています。

 

私のメンターでもある。森本さんに応援コメント頂きました。40%目前のこのタイミングでより勢いづけたいという狙いでこのタイミングでドロップしました。
■新着 森本さんに応援コメントをいただきました

あたらしく応援コメントをいただきました。ありがとうございます。

頂いた方は道の駅お茶の京都みなみやましろ村を運営する森本さんです。私のメンターともいえる方です。地域創生という言葉で語られることが多いですが、都市と郊外という枠組みをこえてその土地の特性を理解し、そしてそれを活かす プロだと私は考えています。その中で私たちの未来のライフスタイルデザインを共に考えていくことが出来る仲間であり心強い同志でもあります。以下応援コメントです。感謝

森本健次(株式会社南山城代表取締役)【11/16 追加】一休さんは、子どもの頃見ていたアニメの中の馴染み深い人物。報恩庵一休寺も同じ京都南山城地域にありながら、訪ねるようになったのはごく最近で宗弘副住職とご縁をいただいてから。一休寺納豆の仕込みやお寺の佇まいを拝見する度に、歴史や伝統を繋いでいくということの大切さと難しさを思い知りました。
我々の道の駅も「村で暮らし続けることを実現する」ことを理念に、先人に敬意を表しながら新たな取り組みを始めています。今回のプロジェクトは、歴史あるものと新しい技術、どちらかの是非を問うものではなく、融合し令和に息づく新たな文化財として、どのように後世に繋いでいくかという試み。一人でも多くの方々に共感いただけることを願います。


プロフィール:

1967年、京都府相楽郡南山城村生まれ。道の駅お茶の京都みなみやましろ村の運営会社、株式会社南山城代表取締役。
南山城村役場職員として、むらづくりの拠点となる道の駅整備に従事。プレイヤーが乏しい人口減少地域で、道の駅を拠点としたむらづくりの推進のために、2016年に退路を断ち現在に至る。

森本さんから応援コメント頂きました! / 令和に息づく新たな文化財を創る。酬恩庵一休寺 開山堂修繕にご支援を - クラウドファンディング READYFOR
あたらしく応援コメントをいただきました。ありがとうございます。 頂いた方は道の駅お茶の京都みなみやましろ村を運営する森本さんです。私のメンターともいえる方です。地域創生という言葉で語られることが多いですが、都市と郊外という枠組みをこえ...

11/17 39.1% 新着 棟梁木下孝一のしごと

リターンの紹介もひととおり終わり、本格的にチタンの有用性。そしてそれに関わる木下棟梁について触れていきました。まずは全ての始まりである木下孝一棟梁のしごとについてでした。今回のクラウドファンディングを行うにあたって故木下棟梁のことを調べなおしました。その時に読んだ本が「平成の茶室」でした。こちらの本は相国寺の有馬頼底老師がつくられた常足亭のことが書かれた本ですが、ここからチタンの事。そして木下孝一棟梁が考えられたことを知ることが出来ます。

■新着 木下孝一のしごと

今回のチタン葺きのアイディアは棟梁木下孝一の功績が大きい。木下棟梁は金閣寺の茶室常足亭においてもチタン屋根を採用しています。常足亭は2007年、足利義満600年の遠忌を機に方丈の改修工事が行われた際に同方丈内にあった茶室常足亭も再建されています。金閣寺に残る夢窓疎石の書と義満の書を掛けるにふさわしい茶室をと管長の有馬頼底老師の発願で木下孝一棟梁が手掛けられました。木下棟梁の信念は500年それ以上、もつ建築です。その建築の屋根材としてチタンは採用されています。今回の酬恩庵開山堂チタン屋根葺き替えにあたり木下棟梁のしごとを学びなおしチタン、そして数寄屋建築についても学びなおしました。その資料として役立ったのが、新建新聞社から出版されている「金閣寺平成の茶室」です。本書は、その「常足亭」の誕生を記念して制作されたムックで、オールカラー182頁の全てが、北山鹿苑寺の「常足亭」の紹介になっています。

監修者は、相国寺派管長・金閣寺住職の有馬頼底氏、数寄屋棟梁・心傳庵の木下孝一氏、武者小路千家・15代家元後嗣の千宗屋氏です。本書には、3人の鼎談として、「数百年を視野におさめた平成の茶室『常足亭』」という内容で、22頁にわたって、歴史・文化・宗教・建築・茶道にまつわる興味深い話題が展開されていました。各人のバックグラウンドにある教養の深さを知ることができます。

また常足亭に使用された技術、アルミナブラスト仕上げチタンで大谷美術館賞を受賞しています。以下プレスリリースより抜粋しています。【新日鐵のアルミナブラスト仕上げのチタンの開発は、数寄屋研究所・心傳庵(しんでんあん) 木下棟梁がチタンの極めて高い耐蝕性能に着目し、新日鐵に日本建築に適した表面仕上げの開発を依頼したことが発端です。その背景には、酸性雨等の環境変化で銅の屋根の腐食が進む現象から歴史的建造物の長期的な保護が難しくなったことがありました。様々な検討を重ねた結果、アルミナをチタンの表面にブラスト(投射)することにより表面の粗度を調整して日本瓦の風合いをもつ表面仕上げを完成させました。

1992年頃から数寄屋研究所・心傳庵 木下棟梁は、一休寺、光悦寺(本堂等)の屋根からアルミナブラスト仕上げの適用を開始し、2003年の金閣寺茶室(常足亭:じょうそくてい 写真参照)の屋根への採用がその集大成となりました。寺社仏閣分野での適用は近年更に増加傾向にあります。新日鐵は、需要の広がりに対応するために、コイルラインを設置し安定的な品質で大量に生産出来る体制を構築すると共に、永年研究開発を行ってきた発色技術との組み合わせに取組み、コルテン色や緑青色(アルミナブラスト+発色)の新製品を創り出しました。
このことが、東京国立博物館・平成館(6000㎡、18トン)、奈良国立博物館第2新館(6000㎡、12トン)の屋根、昭和館の外装(4200㎡、56トン)等の恒久的な一般建築物への適用に繋がりました。これまでの12年間の累積で約4万㎡(131トン)の実績になっておりますが、最近では個人邸の屋根での採用も始まり需要の裾野が更に広がることを期待しています。

11/18 達成率40.5% 新着 木下孝一棟梁について

木下孝一棟梁のイズム。人と出会うということはその人のエネルギーを頂く事だと考えます。そしてそれを次世代に伝える義務があります。今回のCF、修繕工事はそのいただいたものをお返しできる機会だと考えます。棟梁が初めて作った茶室です。40%を達成しました。
■新着 木下棟梁について

今回のチタンによる開山堂屋根葺き替えのアイディアを私たちに与えてくれた恩人。木下孝一棟梁についてこれから書いていきたいと思います。私の生まれた前年に祖父が亡くなりました。なので私には祖父の記憶というものがありません。私にとっておじいちゃんのような存在が木下棟梁であったように思います。木下棟梁は現場では厳しい人でありましたが私にはとても優しく、いつも笑顔で接してくれていました。そんな木下棟梁がいつも言われていたことが「伝統をまもらないといけない」でした。その時の私はちゃんと理解していなかったですが今回のプロジェクトにあたり木下棟梁の本や映像を見なおすことによってはじめて木下棟梁が仰っていた意味が分かったように思います。木下棟梁はちょうど東日本大震災があった年の年末に癌で亡くなられました。もっといろいろと教えてもらっておくべきだったと悔やまれますが木下棟梁のDNAは多くの人に引き継がれています。棟梁が初めてつくった茶室が当寺にある 露滴庵です。

11/19 達成率40.8% 新着 mogaの世界

ここでちょっと見せ方を変えての味変。mogaの世界です。mogaの人形は本当にやさしい。どこか懐かしくほっこりさせてくれます。昔、mogaの作業部屋を見せていただきました。一人のお母さんでもありますが、やはりクリエイター。仕事へのこだわりを随所に感じたことを覚えています。
■新着 mogaの世界

今回のリターンでも用意しているmogaの人形。こちらお寺の人気商品のひとつです。通常は小僧の一休さんをはじめ骸骨、虎などがあります。秋の紅葉真っ盛りの今のタイミングで再入荷しておりますのでこちらも是非ご覧ください。mogaとは伊野さんの「オトナの一休さん」が始まる前からのお付き合いです。私と同い年の42歳、、お子さんお二人のママさん作家です。うちの長男と同じ幼稚園でした。ある日、なんかとても素敵な人形を作る人が同じ幼稚園にいるらしいという話を嫁に聞きました。個展に行ってきた嫁が購入してきた作品がなんともすばらしかった!

一目ぼれでした。ちょうど新しい一休さん像を模索していた時、この人に頼みたいと直談判。そして現在に至ります。今もずっと人気商品の人形さんたち。一度、制作現場に伺った時の写真がこちらです。

一体一体手作り、すべて一人で行います。色付けも自分です。

 

糸選び、色選び。こだわりが人形のクオリティにつながっています。今回は初めて老年の一休さんに挑戦、こちらのみ限定商品となっています。一緒に虚堂和尚、そして大燈国師もおりますよ。

 

 

11/20 達成率41.7% 新着 紅葉は盛りへ はたんすけの銀杏

2021年の紅葉、毎年同じようで同じでありません。面白いもので物心ついてもう30年以上は見ているはずなのに毎回驚かされます。この時は朝から写真撮影に。その時に撮影した紅葉をご紹介しています。2年前に駐車場に植えた銀杏がこの年にはじめて黄葉をしました。順調に成長してくれています。今回のチタン事業も一過性のものではなく、これからもずっとお寺が長く続いていってほしいという思いで行っています。この銀杏、大きくなった姿を私は見ることが出来ないかもしれません。しかし私は次につながるものを何か残していけないだろうか そう考えています。開山堂も銀杏もすべてそこに行き着きます。

■新着 紅葉は盛りへ はたんすけの銀杏

10月に一時冷え込みましたがそれ以降は暖かい日が続いています。年間の降雨量も少なく今年の紅葉はなかなか厳しいとのことですが、それでもきれいに紅葉をはじめました。こちら昨日のものとなります。紅葉の楽しみの一つとしてもみじだけでなく、そのもみじがどのような場所にあるかというのもそのひとつです。場所によって紅葉するタイミングも違います。秋と言っても訪れるたびにその様子の違いを感じることが出来るのです。

また紅葉の赤と苔の緑のコントラストは素晴らしくこれも日本の紅葉の醍醐味のひとつといえます。こうよう というと 紅葉 ですが、実は銀杏などの木は黄葉と言います。こちらはもみじと違った趣で私も大変すきなものです。

2年ほど前に駐車場の一角に銀杏を植えました。こちらは寄贈いただいたものですが、この銀杏に私は「はたんすけのいちょう」と名付けました。

はたんすけ、実はこれは私の3人の子供の名前からつけたものです。銀杏は大きくなるにはかなりの年数がかかる、そのように聞いていました。植えたところで自分の代ではその大きな姿は見ることが出来ない。そう言われてきました。

しかし、長い歴史にも必ずスタートがあります。最初からあきらめて行動を起こさないのではなく、ここがスタートだと、決意して行動する。

自分だけでなく子供や孫 未来の人たちのことを考えて行動するって現代の私たちに足りてないことのように思います。今回のチタン屋根プロジェクト、一見無謀なようでもありますが、私は皆さんの温かいご支援とお力実現可能な未来と考えています。未来の子供たちのために。引き続きご賛同とご支援よろしくお願いいたします。

CF前半戦

ここまでがCF前半戦をふりかえりました。次回は中盤戦へ

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コメント

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