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無から有

発酵の記録

よく禅は無から有をうみだすということが言われます。

本当にそうでしょうか?
私の考えでは少し違います。厳密にいうと価値のないものとして見られていた有を見つけ出すことが得意なのだと思います。有もその存在を認識されないと無に等しいのです。認識できないのであれば自身を認識できるように変化させていきましょう。知識や気づきのインプットは日常にあふれています。ただ徒に過ごすのではなく常にそういうものに触れていると思うと私たちはなんとも豊かな日常を過ごしているのかと嬉しくなります。

少し具体的な例を出してみます。
私がお勤めするお寺では室町の昔から一休寺納豆という食べ物をつくっています。これは納豆という名前ですが糸ひき納豆とは全く別もの。麹菌で発酵させる八丁味噌のような調味料です。伝統食品はその歴史の長さばかりが注目されその本質である、味そしてどのように食べると美味しく食べることが出来るか 私たちの食卓における現代性というものにはあまり関心がありません。特に歴史ある都市、京都ですからそのようなものは食だけでなくあらゆる文化についても言えるでしょう。私の主な活動の一つにこの一休寺納豆を伝えるというものがあります。私自身が好きということもありますが、私は一休寺納豆に可能性を感じています。レシピの開発、食べ方のレクチャーなど日々、どのようにしたら伝えることが出来るかを考えています。

ある日、お昼を食べながら何気なしに見ていたテレビから「発酵デザイナー」という聞きなれないワードが聞こえてきました。発酵というワードには人一倍敏感の私です。発酵のデザイナーってなに?となりすぐさまiPhoneにメモをしました。その番組自身とても興味深いものでしたが、その後ヒラクさんについて調べてみると実に面白い人で早速著作をAMAZONにて購入。ヒラクさんにどっぷりでした。

なんとかこの一休寺納豆をヒラクさんに届けなければというなんとも傲慢な思いが沸々と沸き上がりました。そんな2019年のことです。東京ヒカリエのD&department で発酵のイベントをするとあるではないですか!これは絶好の機会と一休寺納豆を イベント会場に送りつけます。(※送りつけられたD&departmentさんは何らかの臭いをはなつ郵便物にざわついたそうです)

そこからのご縁で今、ヒラクさんの発酵食品を扱うお店。発酵デパートメントさんで一休寺納豆を取り扱っていただいております。

コメント

  1. […] こちらのブログで発酵デザイナーの小倉ヒラクさんとの出会いについて書きました。今回、私が今まで一休寺納豆を伝えるためにやってきたことを書きたいと思います。 […]

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